ピボットポイント・スタンダード (Pivots)

テクニカル分析のインジケーター「ピボットポイント・スタンダード (Pivots)」を使うと、サポートやレジスタンスになる可能性をもつ価格水準が表示されます。「ピボットポイント」ではピボットポイント (P) の水準が一つ、サポート (S) およびレジスタンス (R) のレベルが複数定義されます。

パラメーター


タイプ

ピボットポイントの計算のタイプを指定します。ピボットポイントの各タイプで使用される計算ロジック(「計算」セクションにて後述)は異なっており、描画される価格水準の数もタイプにより様々です。

Pivots Timeframe

ピボット計算に使用する時間足です。使用できる時間足はすべて日足以上です。たとえば "Weekly" を選択した場合、その週の始値と前週の始値・高値・安値・終値 (OHLC)を使用して、ピボットポイントの価格水準が計算されます。

“Auto” に設定するとピボットの計算に以下の時間足が選択されます:

  • チャートの時間足が15分までの場合は1D (日足)
  • チャートの時間足が15分より大きく1日未満の場合は1W (週足)
  • チャートの時間足が1日以上の場合は1M (月足)

Number of Pivots Back

インジケーターが表示するピボットの数を指定します。たとえば “Pivot Timeframe” を “Weekly” に設定した場合、“Number of Pivots Back” のデフォルト値は15ですが、これは過去15週分のピボットが表示されることを意味しています。

ただし、この入力値に関係なく、インジケーターは500本以上のラインを描画できないことに注意してください。

Use Daily-based Values

日足 (1D) より上位の時間足は、日足のデータを使用して構築されており(たとえば、週足の高値はその週の日足の最高値になります)、このため「日足ベース (Daily-based)」と呼ばれます。

デフォルトではこの項目はオンに設定されており、インジケーターは “Pivot Timeframe” 設定で定義された上位の時間足(常に日足以上)から直接データを要求します。この設定をオフにすると、インジケーターは表示中のチャートデータから上位の時間足データを構築します。

したがって、表示中のチャートの時間足が1D以上であれば、この設定はピボットポイントの計算に影響しません。ただし、多くのシンボルにおいて日中データはOHLC値が異なる上位時間足のデータとは別のデータフィードであり、この違いがピボット計算に影響する場合があります。日中チャートでこの設定をオフにすると、この問題を軽減できる場合があります。

株価については次のような理由で異なる値になる場合があります:

  • 日中足と日足のデータセットには異なる取引が含まれることが多く、その結果、価格が異なる場合があります。 
  • 時間外取引のデータが提供されていたとしても、通常、日足のローソク足には含まれません。その結果、日中の時間足で時間外取引を加味して計算されたピボットポイントと、日足ベースのチャートで計算されたピボットポイントが大きく異なるケースがあります。

先物については次のような理由で異なる値になる場合があります:

  • 通常では日足の終値は清算価格を表しますがこれは平均値であり、特に最後に行われた取引の価格ではありません(「清算価格を終値として利用」するオプションをオフにしている場合を除きます)。日中の時間足では、セッションの最終取引時の価格が最終取引の価格となります。
  • 日足のローソク足で「電子取引時間」を使用している場合でも、日中のチャートで異なるセッションに切り替えられる場合があります。

"Use Daily-based Values" のオプションをオンにする利点はピボットの値が日中とそれ以上の時間足の間で一貫性が保たれることですが、以下のような場合にはオフにすることもできます:

  • AAPL(アップル)のような銘柄の「時間外取引」データを含めるときに、この設定をオフにします — このケースでは時間外取引のデータは日中の時間足にのみ存在し、日足ベースの計算には含まれないからです。
  • ES1! (S&P500ミニ先物)に通常取引時間のデータを含めるときに、この設定をオフにします — このケースでは日足ベースのデータは常に「時間外取引」のデータを基にしているからです。
  • AAPLまたはES1! のピボットポイントを計算する際に1時間足チャートに表示されるピボットと1日足チャートのピボットの値を同じにするには、このオプションをオンにします。そうしないと、ピボットは日足のデータセットではなく、1時間足のデータセットで計算されるため、結果も異なることになります。

注意事項: すべてのシンボルにおいて、チャート上で利用可能な日中データのバーの本数はプランによってその上限が設定されています。チャート上で小さい時間足(たとえば1分足)を使用し、ピボットの時間足として大きい時間足(たとえば年足)を使用した場合、チャートには1分足のデータが数ヶ月分しかなく、上位の時間足と一致させるには不十分です。この場合、インジケーターはエラーを返して、ピボットの計算に十分なデータ量で確実に計算を実行するために、設定をオンに切り替えるように促します。

Show Labels/Prices

ピボットラインの横にラベル ("P", "R1", "S1" など) およびその価格を表示するかどうかを指定します。

ラベルの位置

ラベルと価格をピボットラインの左側に表示するか、右側に表示するかを指定します。

Line Width

ピボットラインの幅を指定します。

P、S1、R1など

それぞれの項目に該当するサポート/レジスタンスラインを引くかどうかを指定し、その色を設定します。たとえばS5とR5のラインが計算されるのは「従来方式」と「カマリラ」ピボットだけで、他のピボットタイプではすべてP5とS5の入力をチェックしてもそのラインは表示されません。

計算

ピボット/レジスタンス/サポートの値は、「タイプ」項目で設定されたピボットポイントのタイプによって、計算方法が異なります。

タイプ

「ピボットポイント・スタンダード」では、以下のピボットタイプを使用します: 

  • 従来方式
  • Fibonacci(フィボナッチ)
  • Woodie(ウッディー)
  • Classic(クラシック)
  • DM
  • Camarilla(カマリラ)

各タイプの計算式を以下に示します。 "current" と "previous" の値は、”Pivots Timeframe” のオプションで選択した時間足における現在とその前のバーを指しています。

従来方式
P = (prevHigh + prevLow + prevClose) / 3
R1 = P * 2 - prevLow
S1 = P * 2 - prevHigh
R2 = P + (prevHigh - prevLow)
S2 = P - (prevHigh - prevLow)
R3 = P * 2 + (prevHigh - 2 * prevLow)
S3 = P * 2 - (2 * prevHigh - prevLow)
R4 = P * 3 + (prevHigh - 3 * prevLow)
S4 = P * 3 - (3 * prevHigh - prevLow)
R5 = P * 4 + (prevHigh - 4 * prevLow)
S5 = P * 4 - (4 * prevHigh - prevLow)
フィボナッチ
P = (prevHigh + prevLow + prevClose) / 3
R1 = P + 0.382 * (prevHigh - prevLow)
S1 = P - 0.382 * (prevHigh - prevLow)
R2 = P + 0.618 * (prevHigh - prevLow)
S2 = P - 0.618 * (prevHigh - prevLow)
R3 = P + (prevHigh - prevLow)
S3 = P - (prevHigh - prevLow)
ウッディー
P = (prevHigh + prevLow + 2 * currOpen) / 4
R1 = 2 * P - prevLow
S1 = 2 * P - prevHigh
R2 = P + (prevHigh - prevLow)
S2 = P - (prevHigh - prevLow)
R3 = prevHigh + 2 * (P - prevLow)
S3 = prevLow - 2 * (prevHigh - P)
R4 = R3 + (prevHigh - prevLow)
S4 = S3 - (prevHigh - prevLow)
クラシック
P = (prevHigh + prevLow + prevClose) / 3
R1 = 2 * P - prevLow
S1 = 2 * P - prevHigh
R2 = P + (prevHigh - prevLow)
S2 = P - (prevHigh - prevLow)
R3 = P + 2 * (prevHigh - prevLow)
S3 = P - 2 * (prevHigh - prevLow)
R4 = P + 3 * (prevHigh - prevLow)
S4 = P - 3 * (prevHigh - prevLow)
DM
if prevOpen == prevClose
X = prevHigh + prevLow + 2 * prevClose
else if prevClose > prevOpen
X = 2 * prevHigh + prevLow + prevClose
else
X = 2 * prevLow + prevHigh + prevClose
P = X / 4
R1 = X / 2 - prevLow
S1 = X / 2 - prevHigh
カマリラ
P = (prevHigh + prevLow + prevClose) / 3
R1 = prevClose + 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 12
S1 = prevClose - 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 12
R2 = prevClose + 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 6
S2 = prevClose - 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 6
R3 = prevClose + 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 4
S3 = prevClose - 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 4
R4 = prevClose + 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 2
S4 = prevClose - 1.1 * (prevHigh - prevLow) / 2
R5 = (prevHigh / prevLow) * prevClose
S5 = prevClose - (R5 - prevClose)
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